クラウドは契約形態としてはサービスなのですが、
経済的にはハードウェア・ソフトウェアの使用権の購入と保守管理サービスの複合取引です。
会計的には前者を固定資産として取り扱い、
後者はサービスとして期間費用として取り扱うのが自然と思います。
実務的にはその測定が大変です。
そのため契約書を元に会計処理を検討することが多いと思いますが、
やはり経済的な実質をみるのが大切でしょう。
例えばメールサーバをクラウド化して、支払いを月額・人数で契約したとして、
毎月契約を破棄できる条項があったとしましょう。
契約上は拘束力がないので費用とすることが考えられる一方、
メールサーバを一から構築、もしくは他の会社のサービスに切替えるコストを考えると、
現実的には数カ月間から1年程度は切替に時間がかかることが予想されます。
その場合、毎月契約を破棄できる条項があったとしても仕事でメールを使わないケースは
考えられないので、スイッチするまでの期間は使用せざるを得ません。
それだと、現実的に拘束される期間が存在するために、
その期間のリース取引とみるのが会計的な発想としては適切と思います。
このあたりの会計処理は実務に追いついてないのではと思っています。